五井野正博士の月刊「ザ・フナイ」原稿

2015年8月10日(月)

(月刊雑誌『ザ・フナイ』2010年9月号より)
猛暑の原因はCO2による地球温暖化ではない!!

 今年の日本の夏は異常に暑い夏である。イヤ、熱い夏と言った方が良いだろう。

 8月7日には岐阜県の多治見市で観測史上最高の43度を記録するなど日本全体が7月から8月にかけて猛暑に見舞われた。

 そして、極寒のイメージを持つロシアでも、この夏のモスクワで40度近くの暑さとなって観測史上始まって以来の記録を作った。市民が計った温度では45度の気温になったそうである。

 もちろん、日本やモスクワだけでなく、ヨーロッパからロシア西部にかけての国々や東シベリア、中国、アジアから中東、アメリカに至るまで猛暑に見舞われた。特にイラクのバスラでは何と54度と超高温に見舞われ、パキスタンでも53度、インドでも50度の気温となった。

 そして、異常高温と伴ってロシアでは干ばつで約1000万ヘクタール以上の農地が被害を受け、食料生産は25%以上ダウンした。そこでロシア政府は自国民の食料需要をまかなうために穀物の輸出禁止処置を取った。

 それゆえ、これから小麦等の穀物が世界的に値上がりすることになる。

 また、ロシアの近隣国であるウクライナやカザフスタンでも暑さによる干ばつで小麦の大幅な減産が予想されている。

 さらに問題なのは、モスクワを含むロシア西部を中心とした森林火災が700件以上も発生し、今なお(8月12日現在)猛威を振るい、火災によるスモッグはモスクワを含む各都市や町村を襲って数多くの死者を出していることである。

 もっと深刻なのがチェルノブイリ原発事故で放射能汚染されたブリャンスク州にも火災が発生し、煙と共に再び放射性物質が大気中に拡散され始めたことにある。

 猛暑と干ばつが再びチェルノブイリ原発事故の悪夢を蘇(よみがえ)えらしてしまったのである。

 そして、干ばつの被害とは逆に中国では7月29日までの段階で豪雨や洪水が各地に発生し、1億3400万人以上の人達が被害を受け、960万人以上の人達が避難する大災害が起きている。

 さらに、猛暑に見舞われている熱帯地方のインドやパキスタンでは、豪雨や洪水で多数の死者が出、穀物の収穫に大きな被害が起きているのである。

 何故こんな異常事態が起きるのか?
そこでまず日本での猛暑の原因を考えるために多治見市で観測史上最高の43度を付けた8月7日の極東アジア全体の天気図(図1)を見てみよう。

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(図1)天気図 2010年8月7日 Yahoo!天気情報より。

 この天気図で見ると日本列島はスッポリと高気圧で覆われてしまっているが、日本より北側のロシア地域は低気圧で覆われ、さらに東も南も西も低気圧で覆われている気圧配置になっている。

 すなわち、日本列島は山々に囲まれた盆地のように周囲を低気圧にすっぽりと覆われてしまった訳である。

 すると日中は風も雲もないような状況の中で、強い陽射しに熱せられて日本列島の気温はぐんぐん上がり、多治見市で43度を付けることになる。

 と言っても気象の専門家でない人にとって高気圧とか低気圧とかいう言葉は天気予報で聞くくらいで、そのメカニズムまでは良くわからないであろう。

 そこで気圧に関して簡単に説明すると、地球に空気(大気)が取り巻いているが、海の中の水圧と同じように大気にも大気圧というものがある。国際基準の表示で一気圧を1013.25ヘクトパスカルと定めている。

 そして、大気は太陽の陽射しによって熱せられて膨張する。

 すると膨張した分だけ1㎤の中の空気の密度が薄くなるから空気が膨張する前と比べて気圧がその分低くなる。

 これが低気圧と呼ばれるわけである。

 つまり、低気圧とは暖められた空気ということになる。

 特に、夏に南方で大気が強く熱せられて発生する低気圧を熱帯性低気圧と呼び、猛威を振るうと台風と呼ばれることになる。

 その反対に、空気が冷やされると体積は縮んでその分密度が濃くなる。

 これが高気圧と呼ばれる訳である。

 すなわち高気圧とは冷たくて重い空気と言える。

 そして、大気は冷たい空気から暖かい空気に流れるので、高気圧から低気圧に大気の対流が起きる。

 たとえば暖炉や窯で薪(まき)を燃やすと、燃やし口から冷たい空気が入って火熱で熱せられた空気は煙突の中を勢いよく上昇していくことがわかるはずだ。

 そこで、そのような理屈を考えながら図1の天気図を再一度見てみよう。

 先ず日本列島の南西方向(台湾近海)にある低気圧は暖かい空気(大気)ということはすぐに理解出来るはずだ。

 次に、西方の中国大陸にある2つの低気圧と日本列島の東に位置する太平洋上の高気圧との違いは、陸地の方が海水よりも暖められやすいという日常の経験から理解出来ると思う。

 そこで問題なのは日本列島の頭上右(カムチャッカ半島東海上)の低気圧とその下側右に位置する太平洋上の低気圧である。つまり一般に北の方が寒いというイメージなのに何故、北の海上に低気圧が発生するのかという謎である。この問題こそが今年の夏の異常気象の謎を解く鍵となっているのだ。

 そこで、北半球の上空(300ヘクトパスカルの気圧配置)の気象庁のデータを参照して上空の気圧配置を示してみた。

 この上空の気象図(図2)は平年度と比較した北極周辺の低気圧(L)の強さを濃淡で示している。

 そして、その周囲の矢印が描かれた太線は上空9400m付近の強い偏西風(寒帯前線ジェット気流)の動きを表わしている。

 偏西風は等気圧の中を猛スピードで西から東へ吹くので、高気圧があるとそこを避けて迂回することになる。

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(図2)2010年7月の偏西風(寒帯前線ジェット気流)。

 そして、矢印の太線の外側の左側部分の谷間①がモスクワを含むロシア西部地域で、平年度と比べて高気圧(H)の強さを濃淡で示している。また、同じく中央部の谷間は日本やシベリア東部(②の場所)の高気圧(H)の強さを同じように示している。

 そこで、この図2を見ると、偏西風の谷間にある高気圧の地域①と②は、前述したようにこの夏は平年度と比べて猛暑になっていることがわかる。

 そして逆に半島のように突き出した所は北極からの低気圧が張り出してくるために、その周辺や南の地域(中国)は豪雨となっていることがわかってくる。

 このように北極を周回する偏西風の動きを北極振動と呼び、この動きによって長期の気候の変化を予想する研究が、ここ最近の学問となってきている。

 ところでもし、この極偏西風の谷間が左右にずれたとしたら今度は日本が中国のように豪雨や洪水の大災害を受けるだろうと予想出来ることとなる。

 その場合、北海道から関東、近畿と南下する低気圧が局地雨をもたらすだけでなく、低気圧がさらに発達して台風になるなんてことも小説張りに起こりうるかも知れないのである。

 と言うのも、台風は普段、南の沖縄から九州、四国、本州を通って北東の海上に抜けていくのが通例だから、その逆のコースの台風なんて常識では考えられないからだ。

 もっとも台風までいかずとも集中豪雨が突発的に起きる危険性が大だから、来年は注意しなければならない。

 ところで、極寒の北極周辺がなぜ低気圧になるのかが少しわかりにくいと思う。

 それは北極周辺の夏は白夜で知られるように1日中と言っていいほど太陽光で熱せられるために、上空の大気は中緯度の地域よりもかなり暖かくなるからである。

 もちろん北極海は氷の世界だから海面上の冷たい空気は上空に向かって上昇することになるが、太陽の強い日差しによって上空で強く暖められてしまうからである。

 つまり、今年の異常気象が(図2)で表示された上空の気圧図と関連して説明できるとすれば、(図1)で問題にした日本近海の北太平洋の大気が何故、南太平洋の大気よりも低気圧になるのかが、わかってくるだろう。

 そして、(図1)で日本列島の東側にある太平洋高気圧が中国を覆う低気圧とぶつかると、水分を含んだ暖かい空気が冷たい空気に押し上げられて上昇し、その上昇の過程で冷やされて水分が氷となり、その氷が下降する段階で溶けて雨を降らすので、中国の各地に豪雨や洪水の大災害を引き起こしたことも説明されてくる。

 また、日本よりもかなり緯度が高い(北極に近い)モスクワが日本のように暑い天気となったことも理解出来てくる。

 では何故、北極の上空の空気が以前の夏よりも暖かかくなったのかと問えば、1つには北極海の氷が昨年よりも溶けていて、海面の面積がその分増加していることにより、より多くの太陽熱を吸収して暖かくなっているからだということが先ず言えると思う。

 つまり、北極海全体が厚い氷で覆われていれば太陽光は氷の表面で反射されて、太陽熱を吸収しにくい状況だったのが、氷が溶けて海水面の部分が広くなると、その分だけ太陽熱が吸収されて海が暖かくなる(海の色が青緑に見えるのは太陽光の赤外線(熱)が吸収され、それによって補色である青緑の光が反射されるからである)。

 すると、これからも北極海は氷が溶けて海面化がどんどん進行していくことによって海面の温度はどんどん暖められることになる。

 それがさらに北極海の氷を溶かしていくという悪循環に入ることが予想される。

 それゆえ来年の夏も、さらに暑い日々が続くことが予想されるが、このような北極海の連鎖反応的な危機を考えると、では何故、北極上空の大気が急に暖かくなったのか?である。

 すると巷(ちまた)で叫ばれてきた二酸化炭素による地球温暖化の恐怖が今にも具現化してきたと人々は考えるだろう。

 ところが問題なのは、北極上空の急激な変化なのである。

 それに二酸化炭素による地球温暖化の説には大きな問題がある。

 と言うのも二酸化炭素は空気中にはわずかに0.04%しか含まれていない。そして、ここ100年の間に人類が石油、石炭、ガス等の化石燃料を多量に消費しても毎年大気の0.0001%の増加にしかならないからで、それによる温暖化効果は毎年、0.004度の気温を上げるにしか過ぎないからだ。

 つまり、1世紀の間にたったの0.4度の平均気温の上昇にしかならないのである。

 すなわち、その0.4度の気温上昇に対して1991年に起きたフィリピンのピナツボ火山の噴火だけで地球の平均温度は何と0.5~0.6度下がってしまった。

 つまり、人類が産業革命以来、化石燃料を消費して空気中に多量の炭酸ガスを撒き散らして地球の平均気温を0.6度上げたとしても、たった1つの大型火山の噴火によって一発で帳消しにしてしまうのである。

 それなのにここ最近において、二酸化炭素による地球の温暖化の問題が、マスコミや教育の現場で騒がれている。

 この騒ぎは元アメリカ副大統領だったアル・ゴア氏が2006年に地球温暖化の防止を訴えた『不都合な真実』の映画の影響によるものが大であり、しかもこのアル・ゴア氏にノーベル平和賞が渡されたから、なおさら地球の温暖化説の脅威の信憑性が一般大衆の間に深まったからだろう。

 『不都合な真実』の中で述べられている人類への災害の1つに、人類がこのままどんどん化石燃料を使っていればいずれ西南極の氷、もしくはグリーンランドの氷がすべて溶けてしまい、そうすると海面は6mも上昇するという警告がある。

 これが事実とすると、世界の重要な都市が海岸線の近くにあるために水没してしまう危険性がある。

特に、全体的に海抜が低い平地であるデンマークやオランダなどは、国土の大半が水没してしまうから、まさに大変な事態となる。そうなると西ヨーロッパ全体の経済や政治が大混乱となる。

 もちろん、この説に対し、まともな学者や市民団体は非科学的と反論した。

 そしてイギリスの裁判所は、「グリーンランドを覆う氷が溶けて近い将来に水面が6m上昇するかも知れない」というアル・ゴア氏の説が科学的根拠のない全くの誤りであると判定したのである。

 それもそのはず、グリーンランドは今では氷に覆われた巨大な島であるが、8~11世紀の頃には緑に覆われた文字通りのグリーンランド(緑の島)だったからである。となるとアル・ゴア説によると、その頃の世界の海面は今よりも6m高くなっていたことになる。

 誰もがそんなの嘘でしょうと言いたくなるような話である。

 ちなみにアル・ゴア氏と一緒にノーベル平和賞を受賞したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予測でも、温暖化による海面の上昇は最大60cmとしか述べていない。

 嘘は誇張を伴う。さもなければ誰も関心を持ってくれないから嘘の効果がなくなるからだ。海面の上昇が60cmだったらピンとこない人も6mと言われればびっくりして関心を持つからだ。

 誇張の典型的な話し方は漫才だろう。漫才なら意味のない話もバカな話でも人々は関心を持って聞いてくれる。

 ところが漫才のような話であってもノーベル賞が付けば、まさに文字通りの「不都合な真実」という訳である。

 しかしながら、今はインターネットの時代である。情報が支配権力者達の手中にコントロールされていた時代とは違い、誰かが真実を訴えたければネットに情報を流すだけで、世界同時に真実が人々の前で明らかになる時代である。

 すなわちアル・ゴア氏と一緒にノーベル賞を受賞した国連IPCCの気象データが捏造であるという情報がネットで何と一瞬に配布されてしまったのである。

 それは2009年12月7日に開かれたコペンハーゲンでのCOP15会議の前にぶつけられた。

 一般にクライメートゲート事件と呼ばれているが、この事件は英国イーストアングリア大学気候研究所(CRU)のサーバーからIPCCの中心的理論学者達のメールや文章が盗まれて世界中に配信されてしまったスキャンダル事件なのだ。

 その事件の詳細は『地球温暖化スキャンダル』(スティーブン・モシャ/トマス・フラー共著、日本評論社発行)で述べられているので興味ある方は参照して欲しい。

 その本ではCRUの所長ジョーンズ氏が『ネイチャー』で行われたトリックの方法を使って近年の気温低下を隠す作業のメール文が生々しく掲載されている。

 また、IPCCの理論的メンバーの1人であるヒューズ教授は、二酸化炭素が温暖化の原因とする証明は何もないことや、ローカルな気温と二酸化炭素の関係は何もないとした見解のメール文も載せている。

 すなわち、『ネイチャー』誌に掲載された近年の地球温暖化の論文は捏造に近いものであることがこの本から読者に知らされるのである。

 そして、ついでにもう1つの本『温暖化謀略論』(武田邦彦著、ビジネス社発行)を参照してほしいが、この本の第1節では「IPCCはこうして捏造データを作成した」と題して「今まで地球の気温は一定だったけれど、産業革命以来、人間がCO2を出してきたので、今までになかったほど気温が上がってきた」というデータが捏造データだったという話から始めている。

 そして、第5節に「どうにも止まらないデータ捏造」と題して地球温暖化を仕掛ける人達が起こした様々な捏造事件を紹介している。

 そして著者は、悪い奴が先ずすることは「データを捏造する」と述べ、世の中に捏造がなくなることはないと警告している。

 そこで著者が言う悪い奴とは誰かを著者に代わって考えてみることにする。

 すなわち悪い奴とは直接的に考えて、データを捏造した学者達になるが、彼等がデータを捏造することによって地位や名誉を失う恐れがあるのになぜ危険まで犯して捏造をするのかである。

 一般に捏造とは上からの指示があって行われるもので、研究者の場合はデータが足りなくて誤った結果になってしまったか、あるいは誤ったデータを取り入れて錯覚して誤ったデータを作成してしまったかであって、初めから意図的な捏造は考えないものである。

 すると、上からの指示を考えると、先ず学者達は企業家でもないから政府や企業の援助なしでは研究も生活もしていけないという問題点を考慮する必要がある。

 となると、ここで悪い奴とはアメリカ副大統領であったアル・ゴア氏やノーベル平和賞委員会、国連までも動かす程の悪い奴となる。

その悪い奴の目的は二酸化炭素を無理やりに温暖化説と結びつけて、データを捏造してでも二酸化炭素を悪者にしたいとたくらんでいる人間となる。

 と言うことは、二酸化炭素の排出問題は石油・石炭・天然ガスの化石エネルギーを消費することによって生まれてくるから利害関係で考えると、石油・石炭・天然ガスと対抗出来る強大なエネルギー産業が怪しい奴になってくる。

 となると答えは裏返しに見えている。すなわち石油・石炭・天然ガスにとって代わるエネルギーとは自然エネルギーのような小規模なものではなく、現状では原子力エネルギーしかないからである。

 現実に現在では原子力を、二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーと言い換えて米欧が一斉に原子力発電所の増設を解禁したことからもわかってくるだろう。

 しかも、この論理だと、アメリカの共和党議会やブッシュ大統領が京都議定書に賛成しなかった理由がわかってくる。

 つまり、彼等は石油産業の庇護者達だからである。

 そして、石油はドルでなければ買えないというシステムがドルを世界通貨として維持する最大の武器だからである。

 それに対して、西欧はユーロという通貨であり、石油や天然ガスのエネルギー資源を需要に対してまかなえる程に持っていない。

 ノルウェーとイギリスの間にある北海油田も産出のピークを迎えているし、ロシアからの天然ガスのパイプラインが途中の国々のトラブルによって一時ストップしたという問題も今なお不安定な政治問題として抱えている。

 その解決策としてチェルノブイリ原子炉事故によって国民達の間に浸透した脱原子力の思想を変えて、原子力発電事業を再開することが問題解決に繋がると考える人達が当然いる訳である。

 そこで、彼らが二酸化炭素をダーティなイメージにして原子力をクリーンなイメージに変えるために様々な工作や洗脳を仕掛けていくという筋書きなら納得出来てくる。

 そのような戦略の中で、不幸にも一部のインターネットのホームページや学者、マスコミの間で原子力をクリーンと表示したり、地球温暖化の捏造データを本物と信じて温暖化説を主張している人達が未だに数多くいて今も人々を迷わしているのは残念なことだ。

 これは『ザ・フナイ』で度々紹介される池田整治氏の出版された『マインド・コントロール』(ビジネス社)で言うところの洗脳教育が今でも世界的に行われている判りやすい一例と言えよう。

 そして、洗脳は権威ある人に短い言葉で洗脳言葉を喋らせ、それをマスコミに書かせさえすれば理屈も理論もおかまいなしに簡単に人々を洗脳させることが出来るのである。

 しかも、一度洗脳されてしまうと、次々と洗脳されやすくなり、やがてマインドまでコントロールされ、そうなると、その人達が真実に気が付くことは非常に難しくなる話なのである。

 東京工業大学大学院の丸山茂徳教授は、著書『「地球温暖化」論に騙されるな!』(講談社発行)の中で興味深い話を書いている。

 それは、丸山教授が講義の中で大学1年生に「みなさんは、地球は温暖化すると思いますか?」と質問すると全員が手を挙げ、「その原因は二酸化炭素の増加だと思う人は?」と質問してみると、また全員が手を挙げるという話である。

 しかも理系大学を卒業し、研究をさらに進める大学院に進んだ学生でも「二酸化炭素犯人説」を疑う学生はゼロという話には私自身、驚いた。

 今の学生は思考能力をまったく持っていない洗脳プログラム化されたロボット人間かのように思えてくる。

 丸山教授は、科学的な知識をある程度持つ人なら、地球温暖化論に当然の如く疑問を持つはずだと述べ、それがないのは一に、政府やメディアと対立するのがイヤな科学者が多いことと、二に学者の研究テーマが狭く、2000にも細分化された専門分野の1つだけを研究する「専門バカ」が多く、その分野ごとに「専門語」という言葉が学者同士の壁を作っていると指摘しているのである。

 まさにそうである。日本にはさらに閉鎖的な大学間の学閥があって、「白い巨塔」にも象徴されるように、1960年代後半に東京大学医学部の閉鎖的な体質を打破しようと学生達が東大紛争を引き起こしたが、未だに霞ヶ関を頂点とする学問体制は変わっていないようである。

 海外では大統領や国王直属のアカデミーという学問体制がある。アカデミーが国公私立の大学や研究所の頂点に立っているのである。

 しかも国内だけでなく世界中の極めて優秀な学者達をアカデミーのメンバーに加えているから、情報伝達が速く、先進的な学問研究の分野で世界をリードしている。

 日本では、実質的にアメリカの属国のせいか、国としてのアカデミーがなく、各大学が霞ヶ関の官僚達によってコントロールされている様な状況なため、優秀な学者は海外に出るケースが多い。

 しかも海外で評価された優秀な学者は日本ではヨソ者扱いで受け入れてくれないから、日本の学問研究は海外先進国の中で益々孤立してゆくと言っても過言ではない。

 強いて言うと日本は産業中心の学問システムなので、サイエンス(科学)というよりテクノロジー(技術)の国と言った方が理解しやすいのかも知れない。

 そういう状況の中で、丸山教授は様々な場で「地球は今後寒冷化する」「二酸化炭素によって地球が温暖化している事実はない」と科学的な根拠を持って説明しているようである。

 このことは保身と専門オタクの学者が多い中で権威や名聞名利にとらわれず、まじめな研究を土台にして真実のために勇気を持って世に訴えている貴重な学者だと評価したい。

 では真実の地球の気候の歴史とはどうなのか!?

 そこで、今までの考古学的見地からの地球の気候変動の見解を要約すると、
「1万年頃から地球は少しずつ寒冷化したが、8~11世紀頃には温暖化が起き、その後、寒冷化が始まって400年前には小さな氷河期のピークを迎えた。そして、19世紀後半から地球の気温は少しずつ回復(温暖化)してきているが、ここ数十年間は寒冷化し始めている」というものだった。

 となれば11世紀頃までは緑の島だったグリーンランドは今では氷に閉ざされている現状から考えて、地球は12世紀を過ぎると寒冷化し始めたことになる。

 寒冷化するとユーラシア大陸の中央部では干ばつが進んで作物が取れなくなり、そのために民族の大移動が起きる。

 それが大陸の中央部に住むモンゴル族の大移動の原因となる訳で、それゆえ、ユーラシア大陸はモンゴル族の統一者である成吉思(チンギス)汗(ハン)が創建した元の国に支配されることになる。

 その後、日本では東北地方は寒冷化による大飢饉が度々起き、応仁の乱などの戦乱の世を引き起こしていく。また、ヨーロッパの西端イギリスでも寒冷化が進みテムズ川が凍って「氷河期が来た」とロンドン市民が大騒ぎする程になる。

 となると今は温暖化の心配よりも寒冷化の心配をした方が良いと言えよう。

 そう、実はヨーロッパが一番心配しているのは寒冷化の問題なのである。

 と言うのも前述した北極海の氷解の問題に戻るが、ヨーロッパの場合は北極海が暖かくなることによって北極海に向かって北上していたメキシコ湾流の流れが大きく変化することがわかってきたからである。

 つまり、暖流であるメキシコ湾流によってヨーロッパは緯度が高いにもかかわらず、気候が暖かかったのが、海流の流れが変わることによってヨーロッパ全体が寒くなる恐れがあるのだ。

 このことは今年の『ザ・フナイ』4月号の105ページで述べた『第三の選択』のテレビ放送の中で指摘されていた重要な問題だったのである。

 すなわち、北半球では異常な猛暑で騒がれているが逆に南半球では異常な寒波で多数の死者を出しているように、地球全体では寒冷化に近いのである。

 となると、寒冷化に伴う石油や天然ガス等のエネルギーの消費が急激に増大すれば、その価格は暴騰していくことになる。

 そうなると、多くのエネルギー資源を輸入で頼っている日本や西欧にとっては死活問題となる。

 それゆえ1997年に京都で環境会議が開かれ、二酸化炭素による地球温暖化の危機が叫ばれ、京都議定書が議決されるという流れが生まれた。

 これは、石油や石炭、天然ガス等の化石エネルギーの消費から脱却する産業構造に変えていこうとする意図が背後にあるとみなされる。

 そう考えれば、この流れが何故出てきたのかが納得できるであろう。

 その会議の時のアメリカ代表が、何と前述したアル・ゴア元副大統領だった。

 しかしながら、石油の庇護者である共和党が過半数を超えるアメリカ議会はこの京都議定書に批准(ひじゅん)(同意表明)せず、ブッシュ政権もまた、この議定書に批准しないどころか、科学的根拠がないという否定的な立場を取った。

 ところが、オバマ大統領の民主党政権となると、アメリカは京都議定書に賛成の立場を取ってオバマ大統領のノーベル平和賞授賞式と重なる形でCOP15会議がデンマークで開かれたのである。
 しかしながら、クライメートゲート事件が起きて、この温暖化工作も結局は失敗の方向に向かってしまったかのようである。

 すなわち、8月12日の日経新聞では「温暖化対策・先進国で失速『ポスト京都』黄信号」という見出しでアメリカが数値目標を先送りしたことや、西欧諸国が景気の方を優先したことを報道しているからだ。

 だが、これから、戦後、国として真に独立していない日本は一体どうするのかが見ものである。

 ―次号は、北極大気の急激な変化(異常気象の原因)が何故起きたのか?!
 「熱圏の崩壊の原因」と「太陽磁場の活性化の原因」などを明らかにする衝撃的な内容に、乞うご期待―。 (続く)

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