五井野正博士の月刊「ザ・フナイ」原稿

2015年9月11日(金)

(月刊雑誌『ザ・フナイ』2010年10月号より)
熱圏の崩壊による異常気象
(今日の異常気象の原因を既に解明していたと騒がれた論文)

1、実際の気温と統計操作による気温

 今回も前回に引き続き異常気象の原因について考察したいと思う。

 ともかく、今年の日本の夏は長期間にわたって記録ずくめの猛暑日が続き、私は今、この原稿を長野県松本市より少し北のアルプス山麓で書いているのだが、9月6日現在においても35度近い猛暑日となっている。

 9月6日付けの新聞で昨日(9月5日)の気温として京都府京田辺で39.9度(9月の国内最高新)という見出しが載り、大阪市では最高気温36.2度で、今年の猛暑日が28日となって1994年と並ぶ最多タイとなったと報道していた。

 ちなみに、松本市(長野県)でもこの日(9月5日)今年最高の36.1度の猛暑を記録している。

 猛暑日とは35度を超す気温の事で9月6日も大阪市は軽く35度を超えたために過去最多の猛暑日の記録を作ったことになる。

 35度以上が猛暑なら9月に入って39.9度と、ほとんど40度に近い気温は熱帯地方でしか味わえない世界であろうが、京都に住む知人によると、その日の外気温は45度近くあったという。

 そして、暑くて外には出られなかったと語る。

 今度は45度という気温になると、この気温はインドやアラブ諸国で体験する別世界のようであるが、9月5日のエジプト・カイロでは33度、熱帯地方のマニラで同じく33度、タイのバンコクで34度、ハワイのホノルルでも30度と何と日本が世界の中で一番暑い国となっているのである。

 もっとも、この夏の日本が異常なので、ちなみに京都の平年(30年間の気温の平均値)は30.7度、大阪の平年は31度だから沖縄を除いて全国的にこの夏は平年度より5~6度、気温が高くなった為の現象だと言える。

 しかも、知人の車の温度計測器で45度の気温があったとしても気象庁の新聞発表になると京都の最高気温は37度とトーンダウンし、現実と気象庁の公式記録の間の温度差の違いにやや違和感を生じるかもしれない。

 しかしながら、どちらも正しく気温を測定したのであって、ただ測定方法の違いだといえよう。

 例えば、前号での私の原稿の中で8月7日に岐阜県多治見市で43度の日本最高気温のことを述べたが、その日の気象庁が発表する多治見市の最高温度は36.9度だったので読者の中には43度という数字が間違いなのではないかと思われた方もいらっしゃると思う。

 しかし、これは日経新聞の『日本で一番暑い街』という記事の見出しの気温の数字であり、記者が自分で調べた気温を観測値として発表した温度なのである。そして、多治見市のこの43度の気温はネットでもだいぶ話題になった数字だった。

 同じような例がテレビでも放送されて話題になった。それは8月31日の東京の最高気温は気象庁の発表では35.8度であったが、テレビニュースで流されたのはニュースキャスターが手に持つ41.5度の温度計の目盛りを写した画像だった。

 実際に私も8月28日午後1時に東京で観測した温度は40度を軽く超していたが、気象庁が発表するその日の最高温度は34.7度だった。もちろん34.7度と40度ではあまりにも違うのではないかと私でなくとも誰でも疑問に思うであろう。

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〔図1〕 気象庁の観測地点(気象庁の資料より)

 そこで、気象庁の発表する気温に関して測定場所を調べてみると、東京都内の気象庁の観測所は10ヶ所あるが、気温に関しては(図1)で示されるように8ヶ所で計測されていることが分かる。

その中で新木場と羽田は海岸沿い、八王子は山沿いで、青梅・小河内(おごうち)の2ヶ所は言ってみれば山の中にある。

 すると、アスファルトとコンクリートのビル群に囲まれた空間、言わばヒート・アイランドと呼ばれる山手線内の観測地点は大手町のたった一ヶ所だけとなる。その大手町の気温が気象庁の発表する東京の気温だそうである。

 そこで、都内8ヶ所の平均気温(最高気温と最低気温の中間値)を記述してみると、2008年8月の場合、東京(26.8)、新木場(26.2)、羽田(26.7)、練馬(26.5)、府中(26.2)、八王子(25.5)、青梅(25.0)、小河内(22.6)となっている。

 この数字を見て大手町が都内8か所の中で一番暑い地域だとわかってくる。

 2008年の年平均だと大手町の場合、気温16.4度となり山間の中の青梅14.3度とは2度以上気温が違い、小河内のように山奥だと4.5度も違ってくる。

 とすると、実際に我々が観測し、体験する夏の暑さは気象庁と5度以上も違いがあるとすれば、我々が体感する温度を大手町の東京の気温に例えた場合、気象庁が発表する東京の気温は小河内のような山奥のもっと低い気温を測定し、発表していることになる。

 実はこのように公式な気象庁の測定値と現実的な市民の測定値の違い、地域の気温のバラツキの違いなどを利用して統計上のトリックがいくらでも作れることになる。

 例えば、前号の私の原稿でも紹介したように『温暖化謀略論』(武田邦彦著、ビジネス社刊)の中で二酸化炭素による地球温暖化説を提唱して、アル・ゴア元米国副大統領と共にノーベル賞を受賞したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が1950年から1990年までの世界気温の平均値を出すために5000~6000ヶ所の気温をピックアップして平均気温を9.8度としたが、1990年から2000ヶ所に減らして、平均気温を11度以上にしてしまったという記述がある。

 つまり、統計の仕方によって1.2度以上も違ってしまったのである。それが(図2)である。

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[図2]世界の平均気温(気象庁の資料より)

 確かに、(図2)を見ればわかる通り1950年度以降、毎年気温がぶれながらも、1990年になると、突然に気温が上がることが棒グラフで示されている。

 この件に関してジョセフ・ダレオ(Joseph D’Aleo)氏とアンソニー・ワッツ(Amthony Watts)氏が共薯の「Sunface Temperature Records:Policy Driven Deception?」の報告書の中で米国国立海洋大気圏局(NOAA)は1990年の統計から寒冷地での気候観測値を削除し、平均気温をつり上げたと問題視している。

 そして、NOAAの下部組織である国立気象データセンターが編集した世界地上気候データ(GHCN)の年ごとの観測地点数のグラフ(図3)を掲載して、(図2)と合わせた(図4)を示して地球の温暖化と観測地点の数は反比例の関係にあると批判した。

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〔図3〕気温の観測地点数(気象庁の資料より)

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〔図4〕平均気温と観測地点数(気象庁の資料より)

 (図4)を見ると、1950年度以降、農村と郊外と都心の3つの観測地点の合計数が1万2000地点から1万5000地点に変化しながら、1990年になると観測地点が急に1万地点以下に下がり、2000年には5000台に落ちていることが、折れ線グラフでわかるようになっている。

 このように、単なる統計上の変更の結果と言おうか、意図的なトリックと言おうか、ともかく、この気温が上がった理由を二酸化炭素による地球温暖化説にアル・ゴア氏がすり替えてしまったのである。

 ところが、前号(2010年9月号)で述べたように、昨年の12月にIPCCの中心的理論の学者達のメールや文章がネットで公表されてしまい、二酸化炭素による地球温暖化説は捏造(ねつぞう)のデータを基にしていたことがばれるという、一般にクライメートゲート(climategate)と呼ばれた事件が起きてしまい、欧米のマスコミで問題になってしまった。

 FOXニュースでは、温暖化に否定的な研究者の博士号を取り上げるよう、大学に圧力をかけていたというニュースから、問題の英国イースト・アングリア大学・気象研究所(CRU)が地球温暖化のデータのために20億円以上の予算を獲得したことや、イギリス気象庁やBBCを味方に付け、IPCCすらコントロールしていたとか、さまざまなスキャンダルが暴露されてしまった。

 そして、終(つい)にモスクワに拠点を置いている経済分析研究所(IEA)は、ロシアの気象観測所の統計を、地球温暖化のための都合の良い統計に悪用したとして、イギリス気象庁のハドリー気象予報&調査センターを告発するに至った。

 さらに、英米国の議会もこの問題の調査に入ったが、NASAの場合、温暖化研究のために年間1000億円の予算を獲得しているようなので、どこまで調査に踏み入めるか、ひとえに米国議会、司法の手腕にかかっていると言えよう。

 このようにバカバカしい話だが、世界の政治、経済、科学、社会さらには教育までを巻き込んだ二酸化炭素による地球温暖化問題は、ひとえに観測地点のデータ処理一つによって引き起こされたもので、初めから何の科学的根拠もなかったのである。

2、今の気象庁や水道局は時代遅れの方式

 ところで、話を元に戻すが、(図3)の観測地点の減少と、(図2)平均気温の上昇のグラフを簡単に実感して理解するために同じようにして、都内8ヶ所の気温の平均値を東京・大手町や羽田、新木場の3ヶ所に減らして統計を取れば、東京都の気温の平均値が上がってくることが具体的にわかるだろう。

 試しに、2008年度の都内8ヶ所の平均気温を出してみると15.1度と出るが、都心部の大手町、新木場、羽田の3ヶ所の平均気温は16.2度になる。つまり、1.1度も違ってくる計算になる。この数字はIPCCが採用したNOAAの統計上のトリックと非常に似通った数値となることがお分かりだろう。

 この気温の違いをアル・ゴア氏が仮にこれも二酸化炭素による地球温暖化のせいにしたのなら気象庁もまたまたびっくりするだろう。

 漫才のようなこんな馬鹿げたことにノーベル賞が与えられ大学も政府もマスコミも騒ぎ立てる、これが今の世の中なのである。まともな科学者や気象学者は一体どこに行ったのだろうか?

 さらに、話を前に戻すが、東京都の気温として大手町の観測点が最も気温が高いはずなのにそれでも何故、都民が計測する気温と比べても5~6度も低い気温になってしまうのであろうか?

 そこで、気温の測定方法になるが、昔、小学校時代にグラウンドの片隅に百葉箱という名前の白ペンキで塗られた木製の小さな箱型の小屋が設置されていて、理科の時間に気温を測定する勉強をした経験が読者の方々にも多分おありであろう。

 その百葉箱は風通しや日当たりの良い場所で芝生の上、1.5メートルの位置に設置されているのだが、内側の大きさが90センチの直射日光を遮断した空間の中に昔は水銀式の温度計、今は電気式の温度センサーが入れられて気温を計測している。今ではこの方式を自然通風方式と呼んでいる。

 と言うのも、現在の気象庁が行う気温測定は強制通風方式と呼ばれていて、ステンレス製の筒(写真1)の中に温度センサーが組み込まれ、ファンで日陰の地面から強制的に空気を送って換気する温度測定になっているからだ。

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〔写真1〕強制通風式の筒

 つまり、日陰のそれも水分を含む冷たい地面から送り込まれる空気の中で気温を観測するのだから、実際の外気温よりは気温が2~3度低くなるのは当然なはずである。

 しかも都会の人が日常感じる気温はアスファルトの輻射熱が加わったものだから、この温度も芝生の地面よりは2~3度気温が高いであろう。

 そうなると気象庁の観測する気温と都会のヒート・アイランドの気温とは5~6度位の実際の温度差が生じるのは当たり前の話となる。

 と言っても、我々市民が求めているのは実際の体感温度であって気象庁が考える古典的な計測に基づく気温ではない。

 つまり、別な言い方をすれば東京がまだコンクリートやアスファルトに覆われていない明治頃の緑の大地の、それも日陰の芝生の上の気温を気象庁がいまだに原則的な測定方法として保持しているというわけで、もはや都市の気温を測る方法としては過去の遺物と言えるものである。

 もっともこのような時代遅れの方式は何も気象庁だけに限ったことではない。

 例えば、十数年前の話になるが、私の高校時代の級友が市の水道局に勤めていたが、彼が私に言うには、水道局は明治以来の沈殿方式だけによる浄水化をいまだに採用していると時代遅れのビックリするような話をしてくれた。

 何故なら、今日のように河川が汚れ、人体に危険な化学物質が多量に含有されている河川水を単なる沈殿層に貯めて、そこから得る上澄み水のサンプルを時々取って検査するのが彼の仕事であるそうだ。

 つまり、その検査の方法がまるで、ネズミが一匹、二匹と直接に数えるようなやり方で顕微鏡に写る大腸菌等を目で一つ一つ数えて、ある数以上になると塩素を上澄み水に加えて水道水にするという仕事だったからである。

 彼は真面目な人間なため、それを毎日繰り返すことによって終には目が失明寸前になり、それで労働災害の手続きを取ったけど、結局認めてもらえないと私に怒りをぶつけてきたのである。

 しかも、まだ42歳の若さなのにカッパに近い円形脱毛症になっていたから、なおさら同情するのにも深刻な状況だった。

 と言うのも円形脱毛症自体もそのような仕事からくる精神的、肉体的なストレスから起きたと当人が強く自覚しているから、彼にとっては公務そのものに対する不信感が恨み筋(ぶし)のように聞こえてくるのである。

 彼は信州大学を卒業して、人生に希望を持って就職したのだが、結局彼に与えられた彼の学歴にふさわしい仕事とは何とバイ菌を一匹、二匹と顕微鏡で毎日数える仕事だったから私自身も驚いた。

 さらに彼の口から出た「俺は恐ろしくて水道水など飲めないぜ」という言葉は、水道水に携わる当事者からの驚くべき直接的な言葉だけに恐ろしく感じた。
 つまり、明治以降に作られた水道法という枠の中で市町村任せに対応させてきた地方行政システムが急ピッチな都市化や工業化による取水の汚染化を前にして処理しきれずに結果的には市民に臭い水やまずい水を押し付けることになってしまっているのである。

 結局は時代遅れのズサンな処理による汚染水の犠牲となるのはまず、その下で働く公務員であり、最終的には一般市民なのである。

 そして、上水道と並んでさらにもっとこれから深刻な問題化となるのが下水道問題であろう。

 と言っても、ここでは下水道の汚泥処理問題を取り上げるつもりはない。

 何故ならそれよりももっと深刻な問題が差し迫っているからである。

 それは、異常豪雨による大規模な水害が下水道問題と大きく繋がっていることが、今年4月内閣府の中央防災会議によって指摘されたからである。

 この報告書は“首都圏水没”と題して2005年8月に米国に起きたハリケーン・カトリーナ級の大型台風がもし首都圏を襲ったらとの想定で大規模水害時の被害状況と対策をまとめたものである。

 そして、この報告書を土台として、今年9月1日のNHKスペシャルで“首都水没”というショッキングなタイトルの番組が放送されたから、多くの人が驚きを持って認識された問題だと思う。

 この番組ではかつて東京が120以上の河川に囲まれていたが、都市化によって河川が次々と埋め立てられ、その代わりに下水管が網目のように都内を張り巡って、都民の生活排水や工場排水等を海に流している現状が述べられている。

 そして、もし、都内に激しい雨が降った場合、その雨水は下水管に流れ、その下水管の処理能力は1時間当たり50ミリの雨量まで処理するのが限界で、それ以上は下水管の上にあるマンホールから次々と下水があふれ出て、道路は瞬く間に川のように氾濫し、最終的には渋谷、溜池山王、そして東京駅から浜松町一帯まで水没してしまうという想定が描かれているのである。

 もっとも、1時間当たり50ミリの雨と言うと専門家以外にはどれ程の雨量なのかイメージがわかないが、気象庁の統計によると1987年から1997年の10年間の間に全国で50ミリ/時間を超えた雨は年平均177回だそうで、1998年から昨年までの11年間になると年平均233回と、年平均で1.3倍に増加していることがわかる。
 つまり、50ミリという数字は自然界においては異常な数字ではなく、異常なのは下水道処理を市町村任せにして国家として水害対策をきちんとしてこなかったことなのだ。
 海外では安全保障や災害を対象にした省庁がきちんと国民のために対策を講じている。国家が水害対策を早いうちから行っていれば、多くの住民が助かる可能性は高い。

 例えば、愛知県内で死者10人、重軽傷者107人を出した2000年9月11日の東海豪雨は名古屋市で観測史上最大の1時間97ミリの雨量を記録、市内の下水道は処理機能を失い、河川の堤防の決壊と合わせて市内の多くの箇所が水没したが、水害対策しだいではこれも防げたかも知れないのだ。

 また今年7月5日午後8時に東京都北区を襲った局地雨は1時間で100ミリを超える大雨となったため、マンホールから下水があふれ出て、たちまちに道路は大洪水となって900棟以上が浸水、2ヶ月以上たった今日でも生活や仕事に深刻な影響を残している。これもあらかじめ水害対策がなされていれば防げたかもしない。

 もし、これが1947年9月に日本上陸した台風9号(カスリーン台風)だった場合、つまり、降水量が利根川流域などに3日間で320ミリ降った場合だと、利根川や荒川が氾濫し、それによって海抜ゼロメートルの足立区などは水没の深さが5メートルを超え、多くの人が溺れて亡くなると予想されるから、緊急の対策が必要になる。

 また大手町、銀座などの都心部も水没して浸水の範囲は640平方キロメートルにも及ぶことなどもシュミュレーションされている。

 その時、地下鉄は地上より早く浸水し97駅が数ヶ月間、浸水したままになると予想されている。そして、それによる死者は最悪の場合6300人、加えて110万人の孤立者が出ると推定されるのである。

 このような大規模水害の報告書や映像を見ていると、このような大災害が、今日にも明日にも来るような恐怖を都市の住民が感じられるのではないかと思うが、この原稿を書いているうちにもさっそく台風9号が東シナ海に発生し、日本海西部を通って9月8日に観測史上初めて北陸地方に上陸した、とニュースが入った。

3、エルニーニョ現象による解説は非現実的

 一般的に、日本海に進んだ台風はそのまま北上するのが通例であるが、今回はオホーツク海からシベリアにかけて発達した低気圧から延びる深い気圧の谷の影響で北上できず、東進したために起きた現象であった。

 この時の天気図が(図5)である。
 図5を見ると台風9号は1004ヘクトパスカルの低気圧の渦で時速25キロメートルの速さで近畿地方あたりを通過している最中だとわかる。

 このような異例な東進はカムチャッカ半島近くからシベリアにかけての低気圧の影響だということだが、このカムチャッカ半島付近に発達した低気圧の中心気圧が980ヘクトパスカルと、台風9号よりも大型で強い低気圧だとわかり、速度も時速45キロメートルと速いスピードで北方に向かっていることがわかる。

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〔図5〕天気図 2010年9月8日(気象庁の資料より) 〔図6〕天気図 2010年9月11日(気象庁の資料より) 

 そして、台風9号は静岡県内を通って東の太平洋海上に抜けたのだが、静岡県小山町付近と神奈川県山北町付近で1時間に約120ミリと記録的な雨を降らした。

 特に山北町の場合、1日で観測史上最高の495.4ミリの雨が降った。

 もし、これが利根川流域や東京都内だったら大変な災害が起きていただろう。

 また、東京都心でも1時間に68ミリの雨が降り、千代田区平河町では大増水のため、下水管が破裂。その上の道路のアスファルトがはがれた事故が起きた。

 被害は各地であちこちに起きたが、これからも台風シーズンに入るため、都市住民は大雨に見舞われた時には特に下水道の流れに注意しなければならないだろう。

 ところで、毎年9月に入ると南シナ海から台風が日本列島にやってきて暑さも何も吹き飛ばすだけでなく、大雨も降らして、災害をもたらすのであるが、台風が通り過ぎるとシベリアからの冷たい高気圧が張り出してきて日本列島のバカ暑さも通例なら一区切り付くことになる。

 ところが、今年は台風9号が通り過ぎてもシベリアからの低気圧が張り出して日本列島が太平洋側からの高気圧に覆われたために暑さがぶり返してきた。

 しかも、私が前号で述べた北極海の強い低気圧によって北極振動が起き、それによってオホーツク海やシベリアに寒帯性低気圧が発生して台風となって南下するかもしれないと述べたことが早くも事実となってきたのである。

 すなわち、9月11日の天気図(図6)を9月8日(図5)と比べて見てほしい。右上のカムチャッカ半島に発達していた低気圧が台風9号と一緒になり、さらに、シベリアからの低気圧がどんどん南下しながら日本列島を覆ってきて東北地方に雨風をもたらしているのである。

 このように残暑なのか、まだ真夏なのかわからない状態なのだが、とりあえず、気象庁が9月1日に発表した今夏(6月~8月)の気象の総括を記述すると、「今夏の日本の平均気温は統計を開始した1898年以降の113年間で第1位の高い記録となりました」という概要であるが、この概要文は誰しもが当然なこととうなづくだろう。

 ところが、その後の本文となると、先ず、今夏の平均気温の平年差が+1.64度という数字を出してくるのでピンとこない人も多いだろうし、庶民感覚としては平年度と比較して5~6度の暑さ、人によっては温帯地方と熱帯地方の違いくらい、“熱く”感じられたのではないだろうか?

 つまり、この統計は北海道から沖縄まで全国の気温の平均値で、それも6月、7月、8月の3カ月の平均値だから、猛暑の実感を示すような統計にはなっていないからである。

 そして、気象庁が示す+1.64度とは丁度前述したNOAAが統計上の処理で変化した+1.2度に感覚的に近い数字に見えないだろうか!

 すると、やっぱり案の定、気象庁はこの夏の記録的な高温に対して先ず3つの理由をあげ、そのような現象となった背景として二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響と締めくくったのである。

 となると、今まで地球温暖化だと騒いできた日本は特に二酸化炭素の排出を押さえてきたはずなのに、今年になって急に日本が暑くなったのはどういうわけなのだろう?

 そこで、気象庁が猛暑の原因とする3つの理由を検討してみる。その3つとは
 (1)期間を通して冷涼なオホーツク海高気圧や寒気の影響をほとんど受けなかったこと。
 (2)上空の偏西風が日本付近で平年よりも北に偏って流れ、勢力の強い太平洋高気圧に覆われたこと。
 (3)今春まで断続していたエルニーニョ現象の影響で北半球中緯度の対流圏全体で気温が上昇したこと。

 この3つは現象面の観測の事実だから否定するつもりはないが、この現象が二酸化炭素による地球温暖化のせいであるとするのには、まったく科学的根拠のない誤説と反論したい。

 まず1番目の問題は、前号でも説明したように(天気図(図7)を参照のこと)、シベリアやオホーツク海側は低気圧に覆われ、日本列島は太平洋からの高気圧に覆われたために猛暑となったことが説明されたと思う。

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〔図7〕 天気図 2010年8月7日 (Yahoo!天気情報より)

 その結果として気象庁が述べるように、冷涼なオホーツク海高気圧の影響を受けなかった、というよりも、冷涼なオホーツク海高気圧自体は発生せず、暖められたオホーツク海低気圧がずっと日本列島の北の位置に居据わっていたのである。

 この現象は9月8日の天気図(図5)を見てもわかる通り、9月8日時点においてシベリアやオホーツク海に強い低気圧が存在して台風9号(発達した熱帯性低気圧)の進路さえも変えてしまうほどの力だったのである。

 2番目の問題である、上空の偏西風が日本付近で平年よりも北に偏って流れたことに関しては、前号で北極圏を中心にした気圧配置図((図15)参照のこと)を掲載して、既に説明したので別に問題はないだろう。

 強いて問題にするならば、第3番目のエルニーニョ現象に関してとなる。

 と言うのも、気象庁はこの報告書を発表した2日後の9月3日に記録的な猛暑の原因について、「今春に終息したエルニーニョ現象と夏に発生したラニーニャ現象の相乗作用の結果」だと、訳のわからない説明をしたからである。

 要は「エルニーニョ」という言葉はスペイン語で「男の子、神の子」という意味で、毎年クリスマスの頃、ペルー沖に現れる小規模な暖流のことを指す。その反対にペルー沖から暖流が遠ざかった状態、つまり、暖流が遠ざかれば海面は行き違いに寒流がやってきて当然冷たくなるので、この現象をラニーニャ現象と呼ぶ。

 「ラニーニャ」とは「女の子」という意味で、暖流の男の子に対して冷たい女の子という現地人の皮肉っぽい言葉になっているのだ。

 次に「今春に終息したエルニーニョ現象と夏に発生したラニーニャ現象の相乗作用」という言葉は意味不詳なので“冬に発生したエルニーニョ現象が終わり、その代わりに夏に発生したラニーニャ現象の作用”と言い換えたほうがわかりやすい。

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〔図8・9〕 エルニーニョ現象とラニーニャ現象(気象庁の資料より)

 と言うのも、エルニーニョ現象とラニーニャ現象が過去に起きた時の赤道上の海面温度分布図(図8・9)を見れば、この意味が簡単に理解できるからである。

 (図8・9)を見ると、南極側からの寒流が南米ペルー沖あたりまで来ないのがエルニーニョ現象で、ペルー沖から、さらに太平洋の西の領域まで寒流が拡大するのがラニーニャ現象だと、すぐにわかる。

 つまり、北半球にとっての冬は南半球の夏、特に南極圏では真夏で、日射時間が長いから、寒流の流れは弱められてそのため、赤道直下の暖流はペルー沖まで拡がる。それがエルニーニョ現象となる。

 次に北半球の夏は南極圏では真冬に当たるから、南極圏から来る強い寒流がペルー沖からさらに太平洋の西まで強く拡がる。

 それがラニーニャ現象であるという、単純な理屈だとわかってくる。

 そして、どちらの現象であっても日本列島南方の太平洋の海水温度は(図8・9)の水温分布から±0.2度の変化しか起きていないことがわかる。

 すると、日本の夏の場合、陸側は太平洋よりもかなり地面が熱くなるため、太平洋の海水の温度が±0.2度程度ではほとんど無視できる温度変化と言え、それゆえ太平洋側はどちらの現象であっても高気圧となって日本列島に張り出してくるのである。

 つまり、気象庁も2番目の理由で述べるように問題となるのは日本列島が太平洋高気圧にスッポリ覆われることによって晴天が続き、それゆえ強い日射しをもろに受けることによる猛暑なのである。

 そこで、気象庁の発表する今年8月の月平均海水温の平年差の分布図(図10)を見てほしい。

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(図10)今年8月の月平均海水温の平年差の分布図(気象庁の資料より)

 エルニーニョ現象によって日本列島南方の太平洋の海水温度が上がってくると言うのならば、日本の北部方面の海面温度が2度位平年より高く、南海上は0~1度、南東海上(図の右下部分)の太平洋に至っては平年度よりも1度低いという状況をどう説明するかである。

 そこで、平年度より海水温が大きく上がった北海道、東北地方付近の海面温度の現在の状況(9月9日)について、さらに詳しい(図11)を掲載する。

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(図11)今年9月9日の月平均海水温の平年差の分布拡大図(気象庁の資料より)

 この図を見る限り平年度より、最も海水温が上がった(4度上昇した)海域は北海道の周囲を取り巻く太平洋区域だとわかってくる。

 そして、海水温の上昇と比例して、陸上での平均気温の平年度比の(図12)を見ると、北方の北海道や東北が今夏、平年度よりも2~3度高く、逆に南方の小笠原諸島が平年度よりも0.1度低いことがわかってくる。

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〔図12〕 今夏の日本各地の平均気温との平年差 (気象庁の資料より)

 誰でも明らかに今夏の異常な暑さは日本の北方地域で顕著に、南方地域ではわずかに暑いか涼しくなっていることがわかるから、この現状を分析すれば地理的に見て北極圏側の影響によって日本列島が暑くなったと誰にでもわかるはずだ。

 そこで、もっとわかりやすいように今夏の猛暑は7月に入ってからのため、6月を除いた7月と8月、それに9月の頭を入れた地域別の平均気温平年差のグラフ(図13)を掲載してみる。

 すると、明らかに北方地域に行くに従って平均気温が上がり、西日本、並びに沖縄地域では気温は少し高め程度で逆に平均気温が下がっている場合があることもわかってくる。

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〔図13〕 地域平均気温平年差(気象庁の資料より)

 すなわち、地理的に言ってペルー沖は南半球に位置するので南極圏の大気や海流の影響を受けるだろうけど、日本は北半球中緯度に当たるため、北極圏の大気や海流の影響を強く受けることは小中学生でもわかるはずだ。

 それを、日本が北極圏の大気や海流の影響を受けないで、南極圏の海流だけの影響をもろに受ける、それがエルニーニョ現象とラニーニャ現象の恐ろしさだと言わんばかりの説を権威者から言われると、その理由の難解度と言葉の難しさが先に入って誰しもが疑問さえも起きてこないが、実はその説を理解しているのではなく、ただ、馬耳東風(ばじとうふう)でだまって聞いているだけではないのだろうか?

 そこで、私がエルニーニョ現象とラニーニャ現象の意味の違いを簡単に説明したので、これからは気象庁のお抱え学者の説をそのまま受け入れるのではなく、これからはどうしてかの疑問を持って聞くことができるだろう。

4、熱圏の崩壊による北極海の温暖化

 そこで、日本は南極圏からの強い寒流(ラニーニャ現象を引き起こす)の影響よりも北極海からの海流等の影響を考えることにして、先ず、今夏の北極海はどうなっているのかを衛星写真を見て解説してみたい。

 先ずこの夏の暑さの最もピークと思われる9月5日の北極海の氷山(写真2)の大きさと、比較のために、3年前まで遡った9月5日の写真3枚(写真2-1・2・3)を掲載した。

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〔写真2〕2010年9月5日の北極海の氷山  〔写真2-1〕3年前の北極海の氷山

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〔写真2-2〕2年前の北極海の氷山  〔写真2-3〕1年前の北極海の氷山

(JAXA宇宙航空研究開発機構の資料より)

 3年前の2007年の9月5日時点(写真2-1)ではロシア領域の北極海は真ん中辺りで氷山に阻まれているが、2年前の2008年の9月5日時点(写真2-2)になるとロシア大陸に沿って船で航行できる具合になっている。

 それゆえ、今年8月14日にロシアの大型タンカーが北欧に近いムルマンスクの港から中国に向けて北極海横断の航海に出発したほどである。

 この北極海航路は西欧と日本を結ぶ距離が従来のスエズ運河経由に比べて3割から4割短縮される。

 そして、今夏の9月5日の(写真2)を見ると、以前の写真3枚に比べて氷山の厚みがだいぶ薄くなっていることに気づく。

 そこで、今年の8月における北極を中心とした北半球の海水温の平年度比温度図14を見れば北極点を中心とした周囲が平年度比で4~5度高くなっていることがわかるだろう。

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(図14)北半球の海水温の平年度比温度差(JAXAの資料より)

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(図15) 2010年7月の偏西風と周囲の気圧の平年度変化(H:高気圧、L:低気圧 著者が記入)

 そして、アメリカ西海岸から1,000キロメートル離れた太平洋地域や日本列島、そしてカスピ海や黒海にかけての北緯50度から北緯35度の地域が平年度比で4~5度高くなっていることがわかる。

 これは前号で述べたところの北極海の強い低気圧の影響を受けて起きた偏西風の北極振動の谷間の部分と一致する。その図(図15)を再度掲載するので比較して見てほしい。

 先ず、偏西風の線の左側の谷間①と書かれた区域は高気圧(H)になっていて、平年度よりもかなり暑くなっていることがわかる。その区域にカスピ海と黒海がある。

 次に偏西風の線の下側の谷間②の区域の下も高気圧(H)が張り出して平年度比でかなり暑くなっている表示がされている。その谷間の下に日本がある。

 そして、東アラスカの下側、アメリカ西海岸より西に1,000キロメートル位のところにも高気圧(H)があり、平年度よりもかなり暑くなっている地域になっている。以上、述べた3ヶ所の区域を(図14)の平年度比4~5度の区域と照らし合わせれば、ピッタリと一致することが誰にでもわかるだろう。

 以上の理由から、北極海の極点を中心とした周囲と、偏西風の谷間の部分が今年の異常な暑さとなった地域だとわかってきたが、すると今夏は以前と比べて相当の太陽熱が北極海に注ぎ込まれたことになってくる。

 それによって、北極海の大気は以前の年よりも強く暖められ、氷山の氷を溶かしたり、北極海の水分を吸い上げて前号で述べたように中国各地に豪雨として撒き散らしたと考えられてくるのである。
 では何故、今年に入ってから北極海に相当な太陽熱が注ぎ込まれたのであろうか?

 その謎の解答として、実は今年7月15日NASAが重要な発表をしている。それは地球を取り巻く大気圏の上層部に当たる熱圏が大きく収縮して崩壊していると発表したのだ。これはどういうことなのだろうか?

 熱圏が崩壊すると地球にどう影響を及ぼすのか?

 この疑問についてNASAは何も語らない。

 何も語らないことが逆に言えば一番危険なことが起きるという可能性がある。

 と言うのも、米国だけでなく、ロシアにしても国家的に危険なことが生じる場合は、国家の安全保障上、秘密にするという決まりがあるからだ。

5、熱圏でCO2は地球を寒冷化させる

 そこで、熱圏の崩壊について考える前に、熱圏とは何か、どういう働きをしているのかを簡単に説明してみよう。

 地球を取り巻く大気圏には一般的に4つの層があり、地表から順に対流圏、成層圏、中間圏、熱圏と呼ばれている。

 そして地表に一番近い対流圏は太陽の日射加減や海流の状況等により温度の高低が生まれて大気の対流が起きている。

 我々が天気図で見る高低気圧の気圧配置はこの対流圏の大気の様子を表示したものであり、この天気図の気圧配置によって天気を予想するのである。

 対流圏の上部では偏西風が流れており、高度11キロメートル付近で風速が最大となっている。国際線の長距離旅客機はこの偏西風の上を、避けたり気流に乗ったりして高度11.3キロの上空を飛んでいる。

 この上が成層圏に入る。成層圏は50キロ上空まで広がっているが、対流圏が上空に行けば行くほど寒くなるのに対し、逆に高度と共に温度が上昇する。

 つまり、成層圏の下部では約マイナス70度の気温なのに上部ではマイナス15度から0度まで気温が上がってゆくのである。

 その理由は成層圏の中にオゾン層があり、太陽からの紫外線を吸収して熱に変えるからである。

 成層圏の上が中間圏で、高度80キロまで広がり、対流圏と同じように上空に行けば行くほど温度が下がり、上空ではマイナス100度近くにもなる。

 そして、その上が問題となる熱圏である。熱圏は上空800キロメートルまでと、かなり広い範囲にわたって地球を取り巻いている。

 ちなみに、静止衛星を除いて人工衛星やスペースシャトルが実はこの熱圏の中を飛行しているのであって、正確には宇宙圏には出ていない。つまり、大気圏を飛んでいるだけなのである。

 そして、熱圏では太陽からの短波長の電磁波(紫外線やX線)や磁気圏(磁場)で加速された電子を吸収して熱変換するために2000度まで温度が上がることがある。

 2000度と言うと鉄までも溶かしてしまう高温であるが、大気密度が極端に薄いために熱量の移動や熱対流が起きないので、人工衛星やスペースシャトル等に障害を与えることはない。

 それに、対流圏では温室効果を与える二酸化炭素が、ここ熱圏では大気熱を赤外線にして宇宙へ放出する寒冷効果の役割を果たすから地球は過熱することはないのである。

 つまり、自然界はバランスの上に成り立っている。地球を寒くさせないように、暑くならないように二酸化炭素は働いているのである。

 それを最近の新聞1面のニュースで、二酸化炭素を固定化して地中に埋める事業が画期的な事業として紹介されていたが、それでは二酸化炭素を地中に埋めるというより、地球の酸素を固定化して地中に埋めるということに他ならない。

 つまり、石油・石炭・天然ガスなどを燃焼させるときに空気中の酸素を消費して炭酸ガス(二酸化炭素)を排出する。二酸化炭素(CO2)は炭素原子一つに酸素原子二つが結合したものだから、地球の酸素を炭素に固定化して地中に埋めることになる。

 酸素なくしては人間どころかあらゆる生物体がこの地球上に存在出来なくなってしまう。何と愚かな所業だろう。

 仏典では魔の本質は愚かと説くから、まさに魔法の所業、悪魔の所業とでも言いたくなるような話である。

 地球温暖化が嫌なら二酸化炭素を熱圏まで運べば良い。

 その方が科学的な道理である。

 しかしながら、そんなことよりも熱圏が破壊したというニュースの方が最重要の問題だろう。つまり、地球を有害な放射線から保護しているシードルが壊れたということは、これからどんどん地上に有害な短波長の電磁波や電子エネルギー等が降り注ぐだけでなく、過熱化していくということでもある。

6、放射線による自然環境の悪化

 現にある観測データでは、この夏に降り注ぐ紫外線の量が40%も増えたという報告が噂されている。確かにこの夏は暑いだけでなく皮膚が痛いとか、太陽の光が眩しくて目が痛いとか、朝、散歩するのに体が重いとか、そういう声が多く聞かれた。

 私も今日、陽射しを受けて左手の肌にチックッと刺すような小さな痛みを感じた。これが錯覚でないならば、すなわち私だけの体験でなければ、陽子(プロトン)や他の放射線が肌の中に入り込んだのかもしれない。

 となると、これから徐々に放射線の数が増えてくることになるから大変である。

 もちろん、痛みだけでなく放射線は遺伝子を傷付けるから、様々な病気や奇形児を生む原因として働いてくる。

 また、植物にも異常が起きている。今年は暑い中、安曇野(あずみの)の林を走っているときに一瞬、紅葉か?!と驚くことがある。

 どんぐりの実を付けるコナラの木の葉が緑の林の中で茶色をあちこちに付けているからである。良く見ると紅葉ではなくて、強い日射しによって枯れてしまったのである。

 人に聞くと、この現象は2~3年前から始まって、今年は顕著に現れたということである。

 特に小谷(おたり)や富山など北の方面に行けば、山全面が枯れていると言う。植物の葉が枯れているということは農薬を別とすれば、強い紫外線などの強い電磁波の影響しか考えられない。とすれば、被害はコナラの木だけとは限らないだろう。

 そのせいか、今年は夏から熊が民家に出没する。

 そして、さらに驚くことは私の信州のアトリエにこの2~3年、サルが柵を超えて栗の実を食べに来るのだが、今年は夏から集団でやって来るだけでなく、鹿までが柵を超えて入ってきたのだ。

 その動物達を追い出すのは愛犬モモの活躍ぶりなのだが、さすがに鹿となると大型犬のモモは大丈夫としても、中型犬のミミは突き飛ばされてしばらくは動けない状態になってしまった。

 サルは珍しくないとしても、鹿などは30年前に山の中で出会った以来であるから、まさにびっくりである。

 つまり、今年の夏の陽射しは生物全体の生態系に大きな影響を与えていることになる。

 すると、2010年7月号の『ザ・フナイ』122ページで記述したことが、いよいよ現実的になってきたと懸念されるようになってくる。

 122ページの記述はロシアの新聞「リア・ノーヴォスチ」(2008年9月5日)に掲載された記事を引用した部分なのだが、その部分は、「ロシア科学アカデミーの科学者は磁場の変化によって太陽から来る危険な放射線を防護するシールドに大きな影響を及ぼすと考えている。

 磁場の強度の低下は磁気嵐を活発化させ、それによって国際宇宙ステーションや航空機のコンピューターシステムの障害、さらには地球上の生命に危険を及ぼすと警告する」である。

 まるで、今流行のオカルト的な予言のようであるが、あくまでも科学的な予言なのである。つまり、ロシア科学アカデミーの科学者の発言と言えば、ロシアではエリート科学者の中でもさらにエリート科学者と言われる人達の発言だから、この警告を深刻に考えなければならない。

 強いて言うとアカデミー会員は教科書を作る人達で、教授は教科書を教える人達、学生は教科書を学ぶ人達、と言う位の差があるので、アカデミーの科学者が述べることは今の教科書に書いていない事実、もしくは今の教科書よりも何十年も何百年も先に進んだことを時として述べる場合もあるので重要視する必要がある。

 しかしながら、時にはコペルニクスやガリレオ・ガリレイのような天地がひっくり返るような説を唱えたりする場合もあるので、既存の学者の反対や批判を受けたり、また一般の人々からは予言のように聞こえてしまうかも知れないが、エリート中のエリートの説だけに最先端の科学、真実の科学の話と見極める判断が必要である。

 そもそもアカデミーの由来はギリシャ時代のプラトンから始まる。その伝統を受け継いで今日の学問の基礎体系を作り出してきたのがアカデミーの歴史なのだ。

 それゆえ、伝統的なアカデミーは今でも国王の直属で顧問的な立場にあり、文科省等の役人の下にある日本の大学とは一線を画するのである。

 話がだいぶ長くなったが、要は日本のマスコミの大多数は東大教授の発言とか省庁お抱えの学者の発言とか大企業と共同研究している学者の発言なら真実と考えて記事にする習慣があるから、それが全て真実とは限らないということを知ってほしいのである。

 特に説の場合、例えば二酸化炭素の温暖化説やエルニーニョ現象原因説などの学者の説は、前述してきたように先ず疑ってかかった方が良い。

 そして、記者の勉強不足で、彼らにとって訳のわからない高度な研究機関やアカデミーの学者達の発言は無視するという体質を理解することによって、いかに日本のマスコミが鎖国状態にあるか、それによって日本人の知識がいかに幼稚で世界の常識からかけ離れているか、いかに情報管理されているかを先ず良識ある『ザ・フナイ』の読者に知ってもらいたいと思って書いてきたつもりである。

 例えば、前述したように地球温暖化のスキャンダルも日本国民には知らされておらず、ごく一部のネット人間だけが知っているという偏った情報社会になっているが、その結果マスコミに躍らされて、国民も政治家も二酸化炭素を敵視し、環境に悪いものと思い込んでしまい、あえてこんな不況の中でも企業に排出制限をして排出枠を順守するために海外に多額なお金を払うのである。

 雑談だが、もし、二酸化炭素がクリーンでない、もしくは環境に悪いものならば皆さんが吐いている息や環境問題を唱えている人達も皆、クリーンでなくなることになる。

 さらに拡大して言えば、人間自体の存在そのものが環境に悪いことになる。

 それゆえ、真実を知っている人から見れば、何とおろかな国民、いや国家なんだろうと思うが、その原因も無知無能な学者、というよりも官僚や大企業のPR紙に成り下がった日本のマスコミ界にも大きな責任や問題があると言えないだろうか?

7、熱圏の崩壊によるこれからの大災害

 例えば、今年NASAが「熱圏が崩壊した」という事実を発表した後にドイツのブレーメンで「恒星と共生する人類社会(ILWS)」という会議を開催したという事実を欧米のメディアでは報道されても日本のメディアは全く国民に知らせていないという記事が今月の月刊『テーミス』9月号に掲載されていた。

 ネットで調べてもこのことは『テーミス』以外には報告されていないし、まだ話題にもなっていない。内容は、2013年頃に来る太陽の極大期によって、コンピューター時代の現代社会を原始社会に後戻りをさせるほどの大災害が地球にもたらされるという科学的な予知のもとで、各国が協力体制でこの危機を乗り越えなければ人類は滅亡するというNASAの見解なのだ。

 もちろん、NASAは単なる観測結果から、熱圏の崩壊を発表し、それによる2013年に最大となる太陽活動の極大期の件で緊急に国際会議を開いたのではないだろう。

 と言うのも、1984年度に、カナダのケベック州で起きた磁気嵐によってモントリオール市をはじめ、各都市の送電網が一瞬にして破壊され厳しい冬の寒さの中で600万人の市民が数ヶ月も凍死の瀬戸際に立たされた事件が下地になっていると思われるからだ。

 つまり、調査の結果、太陽の極大期に発生した太陽嵐(ソーラーストーム)が地球の熱圏の中で、かく乱され磁気嵐となったことが大きな原因とわかったのである。

 そして、今年の6月23日にインド洋にオーロラが出現したことも(写真3)、熱圏の崩壊の裏づけになったと考えられるのである。

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〔写真3〕インド洋に現れたオーロラ (ナショナルジオグラフィックニュースより)

 オーロラは太陽から来る荷電粒子が熱圏を構成する酸素原子や窒素原子と衝突して起きるもので、荷電粒子は地球の磁力線に沿って動くから普段は極地周辺で現れる。

 ここで言う荷電粒子とは原子を構成する原子核と電子が、強いエネルギーによってバラバラになり、正極(プラスイオン)と負極(マイナスイオン)に分かれた状態、すなわちプラズマ状態になった粒子のことで、この場合には陽子や電子を指す。

 この陽子や電子が赤道周辺まで飛んで来てオーロラを出現させるのだから、磁場の力が弱まったことと関連して、熱圏の機能が崩壊し始めた事実を発表せざるを得なかったのではないかと推測する。

 そこで、『テーミス』の記事によると、NASAや天体物理学者達の最悪の予想は、2013年の太陽活動の極大期が100年に1度の大規模な活動となり、吹き荒れる太陽嵐によってカナダのケベック州で起きた電力送信網の寸断が、もっと広大な地域で起きうると予想、さらに人工衛星の大半が機能停止したり、地上への落下の危険性が指摘され、それによって国際通信網、株式情報システムから航空輸送網まであらゆる通信機能が瞬間的にずたずたになるという予想である。

 例えば、身近なところでは銀行のATMがストップし、TVもインターネットも鉄道もありとあらゆる情報伝達やインフラ機能がストップしてしまうという事態である。

 そんなことになったらコンピューター時代に生きる現代社会はまさしく原始時代に逆戻りしてしまうであろうが、もちろん、太陽嵐がそのまま地球上に降り注ぐというわけではない。

 地球には大気圏をさらに取り巻く磁気圏というものがあって太陽嵐のほとんどをシャットアウトしてしまう防波堤がある。

 さらに熱圏においても同様な機能が働き、言ってみれば二重の防波堤で地球は太陽嵐から守られている。

 ところが、2008年12月24日に月間『テーミス』(Themis)と同じ単語のNASAの磁気圏観測衛星「Themis(テミス)」が磁気圏に地球の4倍程の大きな穴が開いていることを発見、地球の磁気圏に異常が起きていることにNASAは気づいたのである。

 つまり、今年の『ザ・フナイ』7月号で記述したように、地軸の傾きの変化、北磁極の移動、磁場の減少などの変化が、この磁気圏の穴と共に、地球に大異変が起きている予兆としてNASAは捉えたのである。

 そして、第二の防波堤である熱圏の崩壊と2013年をピークとする太陽活動の極大期に予想される大規模の磁気嵐。それと同時に起こる可能性のある地軸の傾きと地磁気の急激な移動による地球規模の大変動。

 まさにマヤ・カレンダー(※1 マヤ・カレンダー:マヤ文明に存在した独特の暦のこと。

 長さの異なる複数の暦の組み合わせから成る。従来は2012年冬至に終わるとされていたが、コルマン博士による計算で2011年10月28日に終わるとする説が最近では有力となっている。)が近々終焉ポイントを迎えることに関連しての予言通り、地球が何か大きな変化を迎えるのか!?である。

 実はこれからが、私としては本領を発揮する本番の話となる。と言うのも、今までNASAが隠していた事実を明らかにすることによって本当の火星の姿と火星計画の秘密が語られ、その計画の元に旧約聖書の原典である7000年前のシュメール文明が残したシュメール文字の聖典があったという事実を明かすからである。

 そして、その聖典の解読によって生まれた秘密組織がナチスを生み、高度な科学を生み出して、その計画を引き継いだのがNASAであるという歴史を一つ一つ明かし、このことを理解させてこそ、宇宙の秘密、さらに2012年にプラズマ・ベルトに地球が入る時に起こる地球の状況の一大変化が、科学的に語られるのである。

 しかしながら、文字にして公開するのは非常に危険だし、第一このような予告だけでもオカルトふうになって誤解を招くので、講演会を通して公開することにしたい。

 その道作りづくのために『七次元よりの使者』(※2 『七次元よりの使者』:現在では絶版のため、中古市場でのみ流通があります。)発刊以来30年間、読者を対象に対処方法を実践してきたのであるが、私の気持ちとしては、もっと多くの日本人に、この方法論を示したいと思っている。

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